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ハウスメーカーの坪単価を見れば家は安く建てられる?

きれいなリビングルーム

注文住宅を建てるにあたって、坪単価をハウスメーカーを探す際の基準としている方は多いかと思います。坪単価を注文住宅を建てる費用の目安とすることは可能ですが、坪単価を見ただけでハウスメーカーを選んでしまうのは危険です。そもそも坪単価とは、1坪(約3.3平方メートル)あたりの建築費のことを指しますが、注意すべきなのはその定義は明確ではなく、ハウスメーカーによって算出方法が異なることです。一般的には、建物の本体価格を延べ床面積で割ったもののことを指しますが、ハウスメーカーによっては延床面積ではなく、施工面積を使用しているケースがあります。

延床面積とは、建物の床面積を合計した面積のことで、2階建ての家であれば1階と2階の面積を合計した面積となります。そのため、延べ床面積には、ベランダやバルコニー、地下室、玄関ポーチなどは含まれません。一方、施工面積とは実際に施工した部分の面積のことで、ベランダや玄関ポーチなども含まれるため、延床面積よりも広くなります。つまり、延床面積を使用して算出するよりも、施工面積を使用したほうが坪単価は安くなるということです。また、ハウスメーカーによって建物の本体価格の考え方も様々です。基本的には建物本体のみの工事費であることが多いですが、照明器具やエアコンといった設備費まで含めるケースも少なくありません。

さらに、坪単価は建物の形状や、使用する建材の種類・品質、工法などによっても変動するため注意が必要です。基本的に、住宅の形状はシンプルなものよりも複雑なもののほうが多くの建材が必要となるため、住宅の本体価格は高額になります。また同じ規模の建物であれば、木造軸組工法(在来工法)よりも鉄筋コンクリート造のほうが高額になる傾向があります。加えて、トイレや浴室といった住宅設備の品質も坪単価を左右する要素のひとつです。このように、坪単価はハウスメーカーによって考え方が異なりますし、様々な要素によって変動するため、あくまで注文住宅を建てる費用の目安に留める必要があります。

また、注文住宅は完成して終わりではありません。当然ながら、住宅は住み続けていると痛んでくるため、外壁や屋根を塗り替えるといったメンテナンスが必要となります。仮に坪単価が高くなったとしても、住宅が完成した後のメンテナンスに手間がかからなければ、結果として費用を安く済ませることが可能です。そのため、注文住宅を建てる際は、単に費用を抑えることだけに捉われずに、トータルでの費用を考慮することが大切です。