
注文住宅を建てる際、初めに考えなければいけないのが予算です。しかし、注文住宅を建てるという経験は多くの方にとって一生に一度のことなので、予算の立て方が分からないという方も多いかと思います。また、注文住宅を建てるためには土地や建物の工事費だけでなく、様々な費用がかかるため、その内訳を知っておくことも必要です。
基本的に、注文住宅を建てる方のほとんどは住宅ローンを利用するかと思いますが、この場合の予算は頭金(自己資金)と住宅ローンから構成されます。頭金は、大まかに貯蓄額から注文住宅を建てた後に必要となる金額を差し引くことで計算できます。注文住宅を建てた後に必要となる費用とは、引越しに必要となる費用や、家具や家電の購入費用、子供がいる家庭の場合は教育費、生活予備費などです。生活予備費とは、病気やケガといった万が一のトラブルが発生したときに備えるためのお金で、通常の生活費の3~6カ月程度を目安とする方が多いとされています。なお、一般的に頭金は物件価格の1~2割程度の金額を準備すると良いとされており、住宅ローンの審査にも通りやすくなると言われています。
一方、住宅ローンの借入額は毎月の返済額をベースに考えるのが基本です。年間の返済額が年収の20%以内、つまり借入額が年収の約5倍までであれば、無理なく返済していけると言われており、一般的には年間返済額が年収の25%以内、すなわち借入額を年収の約6倍以内にすると良いとされています。例えば、年収が600万円で35年ローンを組む場合、返済額を年収の25%とすると、毎月の返済額は12万5000円であり、借入額は5,250万円となります。ただし、住宅ローンの借入額は金融機関の審査によって変わるため、借入金の目安をつけたら住宅ローンの仮審査(事前審査)に申し込んで、いくらまでなら借りられるのかを確認しておきましょう。
また、予算計画を立てるには、注文住宅を建てるために必要となる費用の内訳を知っておくことも大切です。注文住宅に必要となる費用は、おおきく土地購入費・本体工事費・付帯工事費・諸費用に分けられます。土地購入費は、通常は手付金として1割、土地の引き渡し時に残りの9割を支払うことが多く、手付金は現金で支払う必要があります。本体工事費は、基礎工事や木工事、屋根工事など様々な工事費のことで、最も大きな割合を占める費用です。また、付帯工事費とは、建物本体以外の工事費のことで、建替えの際に必要となる解体工事費や、インテリア・電設工事費などが含まれます。諸費用は、基本的に現金で支払う必要があるもので、各種税金や住宅ローンなどの手数料、地震・火災保険料などが挙げられます。このように、注文住宅を建てるためには様々な費用がかかるため、その内訳を知って予算計画に活かしましょう。